韓国の少女像



少女像は
告発・抗議・糾弾の思いを込めて
建立されたものであろう
そうであったとしても
そこにそうして静かに座っていると
その姿・表情から ぼくの心に伝わってくるものは
なんという無心さ
そう もともとそういう純なる少女なのだ
未来を奪われるまえの 少女の原像は


仏に通じる 透明な祈りが
しんしんと 伝わってくる


植民地支配がなければ
戦争がなければ
汚辱にまみれることなく
誇りを傷つけられることなく
人生を破壊されることなく


祖先から伝えられてきた
民族の歌や踊りや
チャンゴの軽快な響きや
若草やムグンファの花に囲まれて
幸せに生きたであろうに
奪われた未来の 底知れぬ深淵が見える


少女像は
祈りになっていくであろう
そして 赦しが感じられるようになるだろう
国を超えて 
しいたげられたものの祈りと赦し


普遍の聖像はそうして生まれるだろう