チェーンソーで薪づくり

秋雄さんが持ってきてくれた リンゴの伐採木を、
チェーンソーで40センチ内に切断する、
次の冬の薪だ。
まずは目立て、チェーンソーの輪になって並ぶ刃を 
目立てする。
細長い丸やすりを 刃の穴に入れて、
刃の切れ味を高める角度に数回ずつ、研いでは次へ 研いでは次へ。

チェーンソーを使う前には必ず目立てをするように、
林業家は休憩すると目立てをしているよ、
ぼくがクルミの木を切っているとき、やってきた床屋の加納さんが教えてくれた。
ガソリン50にオイル1の割合で混合燃料を作る。
問題は、チェーンソー。
なかなかエンジンがかからない不機嫌チェーンソー。
今日もやっぱりエンジンがかからない。
もてあまして秀武さんにhelpの電話をした。
やってきた秀武さん、チョークを引っぱったり、押したり、
いろいろやったが、かからない。
今度はキャブレターを開け、装置を調べ、布で掃除をした。
さらにあれこれやってみて、
ひもを引っぱったら、バリリリ、見事にエンジンがかかった。
「燃料を送るところがうまくいってないね。
エンジンをかけるとき、ここをこうして 燃料を送りながら始動するといいよ」
やっぱり熟練者に聞いてみることだね。

秀武さん帰った後、教えてもらったやり方でやってみた。
バルルルル、エンジン機嫌が直った。
けたたましい音をたてて リンゴの細枝 太枝を切っていく。
風が吹いてくる。
喉に来る排気ガスが飛んで行く。

作業はこれからまだ続く。
短く切ったリンゴの幹の部分は、斧で割らねばならない。
さても節の多い木だ。
リンゴはなんとも頑固に硬い。
すっぱり割るのは一筋縄にいきそうにない。
薪割りは困難な作業だ。
秋雄さんも、疲労困憊だった。

割った薪を積み上げて、半年かけて乾燥させる。
来年の冬はこの薪で
工房は暖い。