「安曇野スタイル2013」探訪


穂高赤沼家は、120年前に建てられた天蚕農家だったという。
天蚕は、ヤママユの繭からとった糸、山繭蛾のはいた糸。
色は光沢のある淡い緑色、
座敷の奥に天蚕の反物がかけてあった。
金額、うん十万円。
赤沼家の当主は、ソバもつくっておられて、石臼びきのソバが食べられる。
誰かの話では、北アルプス燕山荘のオーナーであるとか、
真偽のほどは分からないが、
そうではないかとぼくは思っている。

写真がぼけている。
イベントに参加していないお店、「作家屋」。
こんなふうに、店内は体を移動するだけの隙間があって、
いったい何点あるのか無数の小物、雑貨が所狭しと、
上から下に、ぶら下げ、置かれ、
その小さなひとつひとつを、おばさんは把握して、
それが、どこから手に入れたかをご存知。
べらぼうな金額を付けないで、手ごろな値段の庶民感覚。
ここで、インドの、ちりんちりん鳴る鈴を買ったこともあるし、
タイの少数民族のつくったドラを買ったこともある。
昨日は、ホーローのコーヒー淹れを買った。
オランダの製品とかおばさんが言うから、
ほしいと思った。

犀川のほとりにある野外施設「せせらぎホール」でも、
作品の展示販売があった。
革製品、木工製品、布製品、いろいろあった。
革細工もいいなあ。
木工もいいなあ。
見ると創る意欲につながる。
犀川には、もう白鳥が27羽飛来してきている。
でも昼間はこの池にはいない。餌場へ出かけている。
カモが数百羽、水に浮かんだり、
岸辺に上がったりして、休んでいる。
遠いシベリアからやってきた、かわいい友だち。
羽を休ませるカワウとサギの姿も見えた。

犀川の本流の外、堤防のすぐ下を、小川が流れている。
底まで透きとおった水、
川のほとりに残された木々の茂みが昔をしのばせる
貴重な林。
この小川の水は養鱒場に行くようだ。
カモの何羽か、
養鱒場のなかに降り立ち、餌を探している。

ユーちゃんは、見たいところがいくつもある。
ガイドマップに、行きたいところに印をつけてある。
だが、ぼくがミニカで案内しても全部回りきれない。
昼ごはんを食べに家に帰った。
我が家の工房にも、お客さんが次々訪れてくださっている。
4日目の最後の日、午後には日本語教室の指導仲間が二人、初日に二人、二日目に一人、そして御近所の人たち、
家内の太極拳仲間も数人、おいでになった。
ぼくのランちゃん散歩でよく一緒になり、道でおしゃべりする、チャコとチコのおばさん、
いわゆる犬友も来てくださった。
そして初めて会う人たち、
地元の人、遠くからの人、
東京から来てくださった人もいる。
工房の名前「邂」は、邂逅。
出会い、
初めて会った人も、旧来の知人も、
ここで、コーヒーを飲んで、おしゃべりする。
ほっと、心が安らぐ、
それがこの工房の目的の一つ。
そして知らない人たちとも、親しい友になる。