塩の道ウォーク

 今日は雨の一日になった。晴れれば、家内と塩の道祭のウォークに出かける予定だったが、朝から雨模様、雨のなかを歩くのもなあ、と見送ることにした。
 今年の塩の道祭は、3日から小谷村ウォーク、4日、白馬村ウォーク、5日、大町ウォークと、三日間行なわれた。なつかしさで言えば、白馬村コースだったが、午前8時半スタートということだったから、近場を選んだら、天候が崩れてしまった。
 信濃森上駅から栂池を経て、白馬乗鞍、小蓮華、白馬岳と登るコースを初めて歩いたのは1956年だった。当時はわらぶき屋根の農家ばかり、リフトも自動車道も何もない、昔からの細い登山道をたどった。神の田圃、栂池、白馬大池とつづく当時の自然は神秘的でもあった。今では栂池自然園までリフトが動き、車が入り、歩かないで行けるようになった。全くすっかり変り、俗化してしまった。
 塩の道ウォークが盛んになることは歓迎、旧街道の復活にもつながるだろうから。
 塩の道、今は部分部分の旧街道復元だが、糸魚川日本海から美濃・太平洋まで、全コースを歩いて楽しめるコースに復元できればすばらしい。糸魚川から姫川沿いに登ってくるコースには途中温泉の露天風呂もある。白馬に来れば、北アルプスの峰々が圧倒的に迫ってくる。神城から分水嶺を越えて仁科三湖の湖畔を行く。そして安曇野に入っていく。松本平を越えれば、木曽路に入る。中山道は宿場町が味わい深い。鳥居峠日本海側へ流れる川と太平洋側へ流れる川に分かれるところだ。宿場町はそれぞれ町並み保存も進んでいる。妻籠、薮原、奈良井は郷愁をそそる。そして中津川からは美濃路だ。
 完全な歩道として整備できれば、価値ある日本遺産の道になる。こういう道が全国に生まれれば、日本は変わる。政治家も、そういうビジョンを持てないか。
 木曽路は、中央アルプスを東にして歩く。信濃の塩の道は北アルプスを西に見ながら歩く。まさにアルプス交響楽だ。JR大糸線を、日曜日と休日には、蒸気機関車が客車を引く。確かにそこはアルプス交響楽線だ。
 実現できるかどうかは、そういうビジョンをみんなが描くことができるかにかかっている。

 明日はいい天気になる。白馬の方へフリーウォークに出かけよう。

<塩の道>
 昔、日本海の塩を、千国街道を通って松本・塩尻まで運んだ「塩の道」、糸魚川から松本まで約120km。新道がつくられて、昔の旧道は所どころに残るだけになったが、現在それを自然遊歩道として整備されている。
 小谷村の塩の道は約9kmの千国(ちくに)越えコース。
 白馬村の祭コースは、落倉自然園から昔の四谷まで。
 大町塩の道祭りは青木湖から大町市内塩の道博物館まで仁科三湖の湖畔を約11キロ。