山をうたう

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この詩も好きだった。

 

     甲斐が根

               三木露風

 

 夏山のいただき  

 白く連なる

 甲斐が根よ

 そよ

 我が心の故郷。

 

 天晴れて青し

 澄みて高し

 想ひやる

 神

 御座(みくら)に香をたく。

 

 雷鳥は峡間の

 雪に落ちて

 あけぼのの

 日は

 紅に染めたり。

 

 高光る甲斐が根

 君をおもふ

 国原は

 今

 夏盛りなり。

 

 

 「甲斐が根」は「甲斐が嶺」と同じ、すなわち甲斐の山。若き日、単独行で甲斐駒が岳、仙丈が岳を歩き回ったことがあった。