ある日、突然歩けなくなった。
朝起きて、歩こうとしたら歩けない。激しい痛みが左半身に起きた。一歩足を踏み出すと、激痛が走り、立ったままうめき声を発す。
椅子に座ると、やっと痛みが治まり、安堵。
家内の運転で近くの整形外科医へ行く。医師の診断、
「腰部脊柱管狭窄症です」
腰の脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され、血流が邪魔されて、猛烈な痛みによって、歩けなくなる、最近増えている難病。
足から膝、太もも、お尻、腰が痛み、膝から下が冷たくなっている。
薬を飲み、リハビリを始めた。
四月末の出版になった、小説「夕映えのなかに」が、大阪のジュンク堂書店にも置かれていたという連絡がアマサンからあった。売れるといいな。
この一か月、出来上がってきた本を申し込んできた人に送ってきた。本代の振込先を書いて、手紙を添え、なつかしい70年も前の同窓生や、60年50年前の教え子、友人、同僚に安曇野の風も添えて。その途中で脊柱管狭窄症が発症した。
この本を出版したおかげで、連絡もなかった人たちと、親しい思い出を交換できた。
出版社の「本の泉社」社長を務める、教え子新船海三郎君に厚く感謝する。