異文化交流会 <私の町の人権学習>

michimasa19372008-11-17



        カナダ人のSさんと中国人のSさんの話を聴いて
              <私の発言>


T.Sさん、あなたは自分を「外人」と何回も言われましたね。
日本では、「外人」という言い方と、「外国人」という言い方とは、一緒のようにごちゃごちゃに使われています。
あなたは、8年前に日本に来られた時、日本語を全く知らなかった。
日本人がその言葉を使うから、T.Sさんもカナダ人である自分をそう言われるのでしょう。
「外人」と「外国人」とは、微妙に違うと思います。
あなたは、「日本人は人を内と外で区別する」ということも言われました。
8年前に日本に来て、3年目に信州を訪れ、信州が気に入りました。
そして、ひとりの日本人女性と出会って結婚しようと思った。
ところが、彼女の父親に猛烈に反対された。
そのときあなたは大変混乱し、悩んだことでしょう。
けれど二人は結婚した。
結婚してしまうと、妻の父親の態度がころりと変わり、身内の人として親しく付き合ってくれるようになった、
「外の人」と「内の人」の区別、そういうところが日本人にはあるのではないかと、あなたはおっしゃいました。
日本人の意識の中にある「外人」は、日本民族ではない外の民族の人。
日本国籍をとれば日本人のはずですが、日本国籍を取っても「外人」と言う。
長く日本にいても、同じ会社にいても「外の人」という見方は変わらない。
誤った「単一民族観」と日本が島国で、他の国との関係が歴史的に閉鎖的だったこともあるのでしょう。
日本の社会人として日本に住み働いている外国籍の人は、それぞれカナダ人、中国人、ベトナム人、ブラジル人、韓国人……であり、外国人と言うならともかく、「外人」という言葉はおかしい。
国際結婚する人は現在ではもう10数組のうち1組はあるのではないですか。
あなたは東京都では9組に1組とおっしゃいましたね。
日本社会は外国人労働者の存在なくして成り立たなくなっていきつつあります。
時代の流れは、多民族の混成社会に向っています。
これはどうしようもない現実。
それを認め受け入れ、日本人は日本人としての文化を大切にしながら、異文化の人たちとともに社会を作っていくことを考えねばならない時代に来ています。


中国人のU.Sさん。
あなたも8年前に日本に来られました。
今は日本の大手の会社に正社員として就職して暮らしておられます。
あなたは年金の問題と親族訪問ビザの話をしてくださいました。
会社では、毎月の給料から税金を引かれ、健康保険料と厚生年金の掛け金を引かれます。
税金と健康保険料金は自分にかかってくることだから当然払うべきだが、
厚生年金は将来も日本で暮らす限りは必要だけれど、いずれ帰国する人にとって、どうしてそんな高額の金額を支払わなければならないのか疑問、というのがあなたの意見でした。
日本に就労して帰国するとき、支払った厚生年金の保険料は返ってこない、取り戻そうとして手続きをしても1割か2割しか戻ってこない、
過払いになるようになっている、
厚生年金に加入するかしないか、これは選択性にすべきではないか、
というのがあなたの考えでした。


「私の両親は上海に住んでいます。親は60になります。
私はローンを組んで、日本で住宅を買って暮らしたいと思いますが、心配なのは親です。
日本に引き取れないです。
親孝行は万国共通の美徳です。
ところが親族訪問ビザは1年間に3ヵ月間だけ、その期間しか親を呼べない。
配偶者や子どもを呼ぶ家族滞在ビザは長期に認められていますが、親はだめなのです。
入管法がそうなっています。
老年の親を国に残しているかぎり、将来も日本に住み続けることはできないです。
だから途中帰国する人が多くいます。」


あなたの話を聞いていて、
これから日本は少子化になり、人口が減少していく。
産業経済も、社会のシステムでも、日本人だけでは成り立たない。
それはこれからますます進行するだろう。
単純労働だけを外国人労働者に依存するということではやっていけない。
技術労働、頭脳労働、いろんな分野で外国人労働者が日本社会で活躍することになる。
仕事を持って日本で活躍する外国人が、将来も続けられるようにすることが必要だというあなたの意見に、
私も納得するものがあります。
外国人の置かれている立場を、日本人はもっと理解する必要があります。
こういう場で話してくださったことで、理解が進みました。
会の最後に、参加者みんなでゲームをしたことも楽しかったです。
こういう交流の場がまたできますように、
私もまた地域でできることから始めたいです。
また、会いましょう。