人間はいつまでも変わらないのか

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                    クモさん、うまいもんだね

 

 アメリカの森林火災が、とてつもなく広がり、東京都の何倍もの面積が焼けている。

ニュースが伝えているのは、この山火事の原因が放火だというデマが広がり、自警団が組織され、銃を持ち、現場を取材に来た新聞記者が銃口を向けられて、退去したという。ニュースは、その映像を伝えていた。

 こういう危機的な状況になると、恐怖におびえ、デマが飛ぶことがある。人々の心の中にある差別意識や偏見に恐怖感が結びつき、異端者と思うと攻撃し排斥する。

 アメリカのニュースを見て、日本の関東大震災のときの殺戮を思い出した。あれと同じではないか。

 関東大震災のとき、朝鮮人や中国人が井戸に毒を投げ込んでいるとかのデマが飛び、自警団がつくられて、道を行く人をつかまえて、ひとつの文言をしゃべらせる。その言葉になまりがあると、「こいつは日本人と違う」と断定して、切り殺したり撲殺したりした。たくさんの朝鮮人と中国人、さらには沖縄人も殺された。東北人も危なかったとか。

 ヒロシマでも、原爆投下後のある町で、不穏なデマが飛んだという記録を読んだこともある。

 関東大震災から百年近く経つ。アメリカでデマが飛ぶ。

 アメリカという国はデモクラシーと科学的知見の先進国だとみなされてきたが、危機的な状況や分裂が激しくなって、国内に不安要素が強まると、人間の心に巣くうクセモノが危機をはらむ。黒人差別や偏見を持つもの、それを煽るものが、防衛本能を高揚させて、迫害者になり、武器を使う。

 

 日本も危ない。危険なフェイクが飛び交っとるぞ。