‥‥コレガ人間ナノデス
原子爆弾ニヨル変化ヲ
‥‥
オオ マックロコゲノ
唇カラ モレテクル声ハ
タスケテクダサイ
‥‥コレガ人間ナノデス
真夏ノ夜ノ
河原ノ水ガ
血二染メラレ
‥‥
オカアサン オカアサン
‥‥
峠三吉が詠った。
押しつぶされた 暗闇の底で
五万の悲鳴は絶え
渦巻く黄色い煙が うすれると
ビルディングは裂け
‥‥
ボロ切れのような皮膚をたれた
両手を胸に
くずれた脳漿を踏み
焼け焦げた布を腰にまとって
泣きながら群れ歩いた 裸体の行列
‥‥
三十万の全市をしめた
あの静寂を 忘れ得ようか。
生き残った被爆者たちはその後、叫び続けた、今も。
その声は権力者の耳には聞こえない。
世界は、繰り返している。
人間の危機、あらゆる生物の危機、地球の危機。