朝、桜の木の手前で、カイトを連れた望月さんに出会った。
「昨日は、よく降ったねえ。」
「よく降りましたねえ。」
「散歩、行きましたあ?」
「いや、昨日は散歩に出ませんでした。ランは雨の時は家の近くでトイレさせました。」
そこから家での犬トイレの話になった。ランは、夜中にトイレしたいときは、家の中に設置したラン用のトイレで,うんち、おしっこをする。
「カイトは、家の中でまったことないでね。ぜったい外でまってる。」
「まってる」、初めてこの地で聞いた言葉だ。
こういう言葉が残っているんだ。
「それ、オシッコやウンチをすることですか。」
「そうそう」
「『まってる』というのは『まる』ということですか?」
「そう」
思い出した。「まる」は確か古語にあった。大小便をするという語。「放る」と書く。小便は「ゆまり」だった。古事記、日本書紀に出てくる。
信州の方言に、こんな言葉が残っていた。