2007-01-11から1日間の記事一覧

  二つの話

穂高岳・単独行 年の暮れ、 中央線を普通列車で木曽路を帰ってきて、塩尻を過ぎた頃、 隣の席の老婦人が、じっと窓外の一点を見つめている。 遠く彼方に、一塊の連山が、頂上に夕日に染まった雲をまとって、黒々とそびえている。 「あの山は」とぼくは、話し…