穂高岳・単独行 年の暮れ、 中央線を普通列車で木曽路を帰ってきて、塩尻を過ぎた頃、 隣の席の老婦人が、じっと窓外の一点を見つめている。 遠く彼方に、一塊の連山が、頂上に夕日に染まった雲をまとって、黒々とそびえている。 「あの山は」とぼくは、話し…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。