朝、ランと散歩に出る。日の出はまだだ。軽く雪が積もっていて、冷たい風と共に吹き付ける。新雪のところは滑らないが、雪が融けて凍っているところがあり、何度か滑って転びそうになった。今朝は氷点下８度ぐらいか。雪の上に足跡があり、その横に犬の足跡が添っている。キツネの足跡もある。
冬になるとよく聴いたシューベルトの「冬の旅」、フィッシャーディースカウのバリトン。今年の冬はまだそのCDに指が伸びない。今日も聴きたくなるのは、「ドイツ学生の歌 大全集」９５曲。エーリッヒ・クンツのバリトンと、ウイーン国民歌劇場合唱団の独唱と合唱。昨年から何度聴いたことだろう。その歌になると、何かしていても手が止まり、聞き惚れる、そういう歌が多い。その一つが「さようなら、おやすみ」。
さようなら、おやすみ。
今こそぼくは心を決める。
別れて去らなければならない、と。
夏にはクローバーが生い茂り、
冬には雪が降り積もる。
そうしたら、また帰ってこよう。
山や谷も悲しんでいる。
ぼくはあの山を、あの谷を、
何千回も訪れたものだ。
ぼくの心を憧れに燃え立たせ、
はげしい恋に駆り立てたのは、
お前の美しさの仕業だった。
泉がほとばしり、ざわめいている。
ぼくらがいつも腰を下ろした
あのニワトコの茂みの下で。
ぼくらが抱き合って横たわっている間に、
どんなに多くの鐘の音を聴いたことだろう。
お前はそんなことは忘れてしまった。
……
