落語

michimasa19372008-11-30





ラジオをかけたら、古今亭志ん生の落語をやっていましてね。
運転しながらワハワハ、クスクス笑いながら帰ってきましたよ。
こりゃ、名人も名人ですな。
話芸の極致ですな。
話を聴いておもしろい、というだけでなく、
言葉が発せられる一瞬前から、聴き手の想像をかきたて、笑いを引きだす。
絶妙な「間」のとりかた、
すっとんきょうな声からしっとり落ち着いた声まで、声の調子、
動作と一体となったせりふの迫真、
打てば響く即妙の会話のおもしろさ、
人間のこっけいさと、明るさと、のんきさ、
下町の人間模様に、貧しさを笑い飛ばす庶民のしたたかさ、
江戸の街が頭の中に現れてきましてね。
江戸時代に生きているような気分になってきましたよ。
これだけお腹を抱えて笑わせる話の芸術を、
落語ファンの楽しみだけにしておくのは、もったいないことでござんす。


図書館に行けば、落語のテープがたくさんありますな。
かみさんが、1本借りてきましたよ。
古今亭志ん生の「黄金餅」と「火炎太鼓」。
昼ご飯を食べながら、聴きましたがね。
いいねえ。
この名人芸、もっと活用できんかねえ。


学校の先生、落語を教材に使えますよ。
会話、話術の勉強になります。
笑いを教室に巻き起こせます。
学校行事に落語大会をやればどうですか。
学級でまず落語の勉強をして練習をして、代表を選んで、学校大会をするんです。
これは効果がありますよ。
「いじめはやめましょう」とか何百回言っても効果はおまへん。
先生がこわい顔をして、憂鬱な顔をして、
説教をしても何の効果もありまへん。
子どもは拒否のバリアを張るだけです。


昔、ぼくのクラスに落語をはなすのがいました。
森村君でした。
彼は学級のお楽しみ会で、落語をしたんですな。
自分からやりたいと言ってきたんです。
大喜びでやってくれと言いましたよ。
彼は教卓に座布団置いてね。
そこに座って、
えらい背の高い高座ですわ。
味がおました。
みんな、ゲラゲラ笑いましたな。
話がおかしいというのもあるけれど、
森村君の人柄のおもしろさやろか、
森村君という人間の発見ですわ。


近くの高校や大学に落語研究会がありまへんかな。
あれば、そこから来てもらって、やってもらうというのもいいですな。
いちばんいいのは、落語家のはなしを寄席へ聴きにいくことです。
学校に笑いを! 教室に笑いを!


のんべんだらりと、無感動な生活を繰り返すのではなく、
教師たちが、まず何かをやらなければ学校は変わりまへん。
学校が農民と連携して農場をもって作物をつくり、給食に使うという取り組みをしている学校もありました。
いろいろ条件があるのにそれが空洞化している学校は、本気になってそれを学校の中心にすえて実践していないからです。
芸術、スポーツ、科学、ものづくり、社会福祉活動、いろんな分野がおます。
何がつくれますかな。
何がやれますかな。
感動をもたらす実践をつくるのが教師です。
教師は、エンターテイナーです。
教師は、演出家です。
教師は、生徒の労作や、発表に喝采を送り、喜び楽しむファンです。