からくり人形の贈り物

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 ハタヤンから突如贈り物がとどいた。

 箱を開けたら、おー、ハタヤンの「工房みもざ」の、「からくり細工」やあ。

 すごい、すごい、ハンドルを回せば、エベッサンが、タイを釣る。木工細工でよくもまあ、こんなに精巧に作ったものだ。高さ二十センチほど、ひょうたんに付いたハンドルを回すと、舟に乗ったエベッサンの首が左右に動き、釣り竿を持った右手の腕が上がったり下がったり、波間のタイがぴょこぴょこはねる。

 からくり背後の木組みの構造を観察しながら、ハンドルを回す。

 うーん、実に微妙な精巧な細工が施されている。これを考えて作るには、いったいどれだけの時間を要しただろう。構造を考えるにも、仕組みを手作りするにも、どれほどの時間を要しただろう、感に堪えない。

 ほとんどが木の細工、それに色を塗っている。

 

 ぼくは飽きずにくるくる回す。

 

 手紙が同封されていた。

 「先日ブログを拝見しました。驚きましたがヨッサンだったら大丈夫だと思っています。なにしろカモシカおじさんですからね。

 大作の出版の前祝いとお見舞いを兼ねて、

福が来るように『えべっさん』のからくり人形を送らせていただきました。

 ハンドルを回せば回すほど、福がドッとやってきますので、ご準備を!」

 

 ありがとう、ありがとう。ハタヤン。

 1980年代、大阪市立加美中学校教員時代、教育を模索しながら共に生きた若き仲間。今はもうハタヤンも悠々自適の「からくり工房」の仙人となって、すてきな奥さんと暮らしている。