国歌

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 オリンピックで金メダルをとると、国歌の演奏が流れる。

 だがロシアは、かの五輪で国ぐるみのドーピング問題があって、国歌の演奏はなく、オリンピックには「ROC」、ロシアオリンピック委員会として参加していることから、国歌ではなくチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番が演奏されている。

 五輪憲章では、表彰式で国歌を演奏するという定めはなく、1952年から20年間国際オリンピック委員会を率いたブランデージは、国歌演奏を廃止するように訴えた。オリンピックに政治を持ち込むな、ということだ。だがこの訴えは通らなかった。「強国」、「大国」、経済力の強い国が大きな影響力を持っているからだ。

 ぼくはテレビの中継をあまり見ていないから、国家の難民たちで構成されている選手団の場合はどうなっているのか知らない、分からない。たぶん優勝という場面は出ていないから、話題になっていないのだろう。もし金をとったら、どんな曲を演奏するのだろう。香港の選手が金をとったときは、中国国歌流れたらしい。香港市民の間からは異議ありの声があったという。

 第二次世界大戦後、しばらくドイツは国歌をもたず、ベートーベンの交響曲第九を演奏した。

 大国、強国は、オリンピックを国威発揚に使う。自国民を一つに統率するために使う。

 日本は戦後、第二次世界大戦の敗北と罪から、新たな国歌をつくろうと運動が起き、歌も作られたが、結局頑強な保守イデオロギーが、戦前からの「君が代」を保守した。