車優先社会の実態

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 今日は看板を作った。

 風が冷たくて、凍えそうだが、ギコギコ木を切って看板を作り、文字を書いて、支柱に打ち付けた。

 それを立てるところは、家の前の交差点の角、

 看板の文章は、

「この先、生活路です。

事故が5件、起きています。

ゆっくり行ってくださいね。」

 北から野の道を走ってきた車は、我が家から南へ、集落の生活路のなかへスピードをゆるめずに、突っ込んでくる。「この先の生活路」というのは三百メートルほどの距離で、道沿いに家が建ち、くねくね曲がっていて見通し悪く、おまけに狭い。住民から聞き取りして、事故五件とした。

 以前からなんとかしなければと看板のことを思いつつ、実行していなかったから、人身事故が起きてからでは、後の祭りだと、今日実行に移した。

 出来上がった看板を、四つ角のひとつの隅に立てようと、支柱を立てる穴をツルハシとスコップで掘り始めたら、カチーンカチーン、土が凍土になっていて、穴がなかなか深く掘れない。日が暮れてきたから明日立てることにした。

 ところで、今朝の朝日新聞「耕論」に、「さよなら車優先社会」という記事が特集され、そこに信濃教育会の会長後藤さんの論が載っていた。「信号のない横断歩道を渡ろうとしている人がいたら、停車しますか」、JAFの調査では全国平均が17.1%、長野県は断トツの1位、68.6%、なぜ長野の成績がいいのかというと、「道を渡った人が止まってくれた車にお辞儀をするからだ」と書いている。長野県では明治から就学率が高く、100年前から小中学校で「全人教育」をやってきたから、その影響が大きいのだという。

 これを読んで、そういうことかと思いつつも、はてなと疑問がわく。

 数年前、ぼくは地区の子ども会育成会の役を2年間つとめ、朝の登校時間になると、子どもたちが横断する危険性の高い交差点の横断歩道に立って、見守りをしたことがある。幹線道路のそこは車はスピードを出し、一旦停車する車が少なかった。68。6%が長野の実態なら、10台のうち7台は止まってくれるはず。そんなものではない。ドライバーの目は、交差点横の横断歩道を渡ろうと待っている子どもの姿にいかないのではないか、見えていないのではないかと思うことしばしばだった。次々と車は通過していく。さらに別の道の横断歩道を自分自身が渡っている途中、危うくはねられそうになったことがある。地区の住民は、その交差点に信号をつけてほしいと警察署に要望を長年出しているが、交差点の状況から無理だとして、信号が取り付けられていない。

 この長野県は「断トツのトップ」というのは本当だろうか、と我が脳裏に「?」が点滅した。

 JAFはどういうやり方で、この数字をだしたのだろうか。どんな調査の仕方をしたのだろう。JAFだからと、その調査の数字をうのみにしていないか、と思う。