子どもの危機

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 昨年の文科省調査では、中学生の50%が視力1.0以下。

 今年の文科省調査では、公立小中学校の通常学級に、支援の必要な子が6.5%いるという。読み書き障害の多くは、聴覚に問題を持っているという。

 人間が本来持っている能力が、引き出されず、鍛えられず、逆に劣化させられている子が増加しているのだ。

 調査できない感性とか心のなかとかは、どうなっているのか分からない、それが現象に現われてくるときがある。事故、事件、災害のときもだ。

 3.11の東日本大震災津波襲来のとき、大川小学校では、

自力で判断して逃げた子と、自力で判断して行動できなかった子とで、生死が分かれた。

 危機を感知する予知能力と危機を避ける行動能力は、子ども時代の生き方が左右する。

 飢えた時、食べられるものと食べていけないものを知っているか。食べられるものはどうしたら手に入るか、それを考えられるか。そして行動に移せるか。

 友と遊び、自然を体感し、出来ないことを出来るように創意工夫をする、そういう体験の日々を送る。それは子ども時代の無限の楽しみなのだ。

  何度も何度も失敗する。出来なかったことが出来るようになる。

 無かったものを作り上げる。子どもは楽しくなり、夢はふくらむ。

 

 そして、何よりも友。

 子どもは友だちを必要とする。子どもは友だちを求める。

 友だちを呼ぶ。

 子どもは、友だちの汗の匂いを知っている。

 「あしたまた遊ぼうな」、夕方ひびく声。

 

 「友だちは いいな」の大合唱を聴いたのは、自由の森学園が埼玉飯能に開校して二年目だったか三年目だったか。中学部、高校部の生徒たちの発表会を参観に行ったときだった。全校生徒の大合唱は、講堂の床を響かせて大地から湧き上がる。胸が熱くなった。その合唱だけで、何かが分かった。

 

   友だちは いいな

   どんなときでも

   心と心が通じ合う

 

   友だちは いいな

   どんなときでも

   喜び悲しみ わかちあう

 

   友だちが みんな

   手をつないだら

   世界中みんな 友だちだ

 

   友だちは いいな いいなあ

 

 

 スウェーデンの冬は長く、夏は短い。スウェーデンでは、子どもも大人も夏の森に入って、森の精を体感する。そして一生に一度は森の樹にツリーハウスをつくって、そこに入り、森に溶け込むのだと。子どもの好きな基地づくりだ。

 森にはキノコもベリーも生っている。ジラジカもいる。

 今、日本の子どもは、

太陽や月がどのような軌跡を描いて空をゆくのか、眺めているだろうか。